園長コラム 不安混乱期

 太陽幼稚園では新学期が始まった4月・5月を「不安混乱期」と呼んでいます。この状況は子どもだけではなく、保護者の方そして教職員も不安混乱になります。特に年少児は初めての世界を生きることになり大好きなお父さん、お母さんと離れ、社会の始めの一歩を踏み出します。この世の終わりかと思うくらい泣く子がいます。固まって動かない子もいます。

「近よらないで~!」「目を合わさないで~!」という表現の子も。昨日はケラケラ笑っていたのに今日は泣く子もいます。皆不安でしかたがないのです。どうしていいか分からないのです。私達はひたすら子どもが望むようにし、泣きたい子は泣きやませず泣かせてあげます。

「そうだね、泣きたいね。寂しいね。ママがいいね。」嫌がらなければ手を握ったり、ひざに乗せたり、背中をさすったり・・・。そうしていくと不思議なことに一日一日様子が変わり、泣く時間が短くなったり、楽しいことをしている子に近づいてみたり、ポツリポツリ話をしてくれたり、大人の側に来たり。子どもは育とうとする力を身体の中に持っていてムクムクと出し始めるので感動します。人間は集団の中で“食べること”“排泄すること”により新しい環境に慣れると言われています。まさに自立の一歩です。そして私達が心がけている一つに生活の流れを変えないというものがあります。朝登園したらまず教室に入り「先生おはよう。来たよ。」と挨拶をし、身支度を整え遊びに流れます。バスの子も歩きの子も全員が集まりみんなで顔をそろえたところで「今日は何をしようかナ」と始まります。生活のリズムが整うと子ども達の心のリズムも整います。2週間足らずの積み重ねで回りの子を見ながら見よう見まねで子ども達は少しずつ基本的な生活習慣(身辺の片付けや準備)の習得をしていきます。生を受けてまだ3年の子がほとんどですが保護者の方の見えないところでこんなに大きな成長が見られるようになります。大したものです。

 もう一点注目したいのは1つ上の年中児です。初めてのクラス替え、教室も担任も変わりました(変わらない子もいます)。不安混乱のまっただ中です。自分自身が一つ大きくなったという喜びや実感がどの子にもあり、クラス名札の色が変わったことが嬉しくて嬉しくて。でも今まで自分たちが慣れ親しんだ教室に、なんと違う集団がいることに気づきます。年少児の存在に、初めて自分が一つ大きくなるということの現実にぶつかります。元担任が「取られた!」と号泣!その姿に元担任も側にいた保護者も涙々・・・本当は大きくなりたくなかった。先生も友達も3月のそのままでよかった。それでも翌日元気に登園。これまた大したものです。また年中児になって初めての4月のお誕生日会。年少児の頃は各クラスでアットホームなお誕生日会を行なってきました。一つ大きくなると2クラス合同でホールに上がりお誕生日会をします。舞台に上がった4月生まれの誕生園児を見て何やら嬉しそうな表情。皆から拍手で「おめでとう」の嵐。「僕もおめでとうってやってもらいたい」とフロアーの子からの声。とうとう涙声に。前に座っていたAちゃん。「今日は4月生まれの子だけなの。B君は4月じゃないでしょ!まだ先。」それでもB君は「僕も僕も」と連呼。「ダメったらダメ。泣いたってダメなんだから」このような理屈を友達に話せる年中児。年少の頃は誕生日って何?の世界でした。Aちゃんは12回のお誕生日の体験で得てきた知識を友達に伝え、また、泣いたって通らないことがある体験もたくさんしてきたのでしょう。

 このように学年の成長も様々、個の育ちも様々です。人生の大事な節目を何度も乗り越えたくましくなります。不安混乱の時こそ、その子のありのままを受け止めひたすら共感していきます。その子の寂しさ、思い、出した言葉を同じ言葉でくり返します。「お誕生日してほしかったね。」

 一方、保護者の方はいかがでしょうか。子どもと離れてご自宅に戻っても落ちつかない様子だったのではないでしょうか。大丈夫です。保護者の方も少しずつ園生活のリズムに慣れて、お昼寝の時間でも持っていただけるといいいですね。とにかくお母さんは多忙きわまりないと思います。子どもが何かトラブルを起こすと母親が責められたり、子どもが帰ってくればすぐに「お腹がすいた~!」となります。なんでも「ママ、ママ」私はたまには「お父さんと言って!」と叫んだことがありましたよ。兄弟がいれば必ず親の前でけんかをしませんか。「けんかをするなら多摩川に行ってしてきて~!」と若かりしころ子どもに言ったら、今だに30を過ぎた娘が“お母さんの忘れられない言葉!”と覚えています。ある精神科女医が言っていた言葉ですが、今日何をしたかではなく「今日どれくらい休めたかな?」が大切だそうです。休みが足りなかったら意識的に取るようにしてみましょう。この不安混乱期はどなたも体調をくずしやすいのでくれぐれもご自身を大切にお過ごしください。ご一緒にこの混乱期を乗り越えましょうね。

キンダーキャンプの準備会を経て…

 6月にあるキンダーキャンプの準備会のため、教職員で清里に行ってまいりました。4月後半の清里の自然を直接耳や肌、匂い等の五感で感じながら、年長の子ども達とどんな自然を楽しもうか思いを巡らせながら下見とキャンプの準備をさせていただきました。  

 清里で見た自然の風景や、子ども達が実際に泊まる自然学校の写真と、清里の現地で拾った自然物のお土産を年長組の廊下の前に掲示いたしました。興味津々に写真や自然物を手に取って見たり、松ぼっくりに興味を示して「松ぼっくりを水に付けてみたらどうなるんだろう?」と実験をしてみる子も…!一体どのように変化したのでしょうね。  

″ちいさなせんぱいたち”


入園式から1週間が経ちました。 年少組の子ども達は、お母さんを求めて涙を流したり、自分の好きなものや遊びを見つけて楽しんだりと、様々な姿が見られます。分からないときや困ったときはどこからともなく年中組や年長組のお兄さんお姉さんがやってきて、たくさん助けてくれています。

”ちいさなせんぱいたち”毎日ありがとう♪

「N&K おかあさんとIT’s SHOW !」

 太陽幼稚園に歌のおにいさん(?)、おねえさん(?)が来てくれました!この道45年!?歌やダンスはもちろん、笑いあり涙ありの楽しく充実した時間を届けていただきました。実はこのおにいさん、太陽第一幼稚園の在園児のお父様で俳優の乾直樹さん。おねえさんはダンスインストラクターで俳優の三島くみこさんです。初日は第一・第二両園の在園児向けに、2日目は地域の方々にも開放して計4公演行なっていただきました。照明や音響も本格的にしていただき、普段とは違うホールの雰囲気に子ども達も息をのみながらも、2人の楽しく息の合った演技や表現に大笑いする場面も。またなおきおにいさんとくみこおねえさんに会えるといいなあ♪

年中組で「見立て絵」の製作を行ないました。

たくさんの柄、形に切られた布の中から好きなものを選び「何に見えるかな〜?」と想像を膨らませる子どもたち。

「これは子ども部屋のお布団!」「白いから雪にしよう!」と、子どもたちからはアイデアがたくさん飛び出してきます。

好きな場所に貼った後は、クレヨンで絵を描いていきます。

「犬がお散歩してるから花も描く♪」「三角形だから滑り台にして、公園も描く!」なかには、隣の友だちと絵を繋ぎ合わせて一つの絵にしよう!としている子も。

一人ひとりのアイデアが詰まった作品となりました。

年中組の物語の世界のはじまり

2学期半ばごろから教育発表会の劇の取り組みを始めた年中組。今ではセリフを誰が言うのか決めたり、劇中に歌ったり、友だち同士で教え合ったりと、段々と劇らしくなってきました。ただ、初めから劇として取り組んでいたのではなく、様々なことで遊んできました。  

 「いろいろへんないろのはじまり」を行なうあじさい組では、以前作った色水がジュースになったり、薬になったり。本物の筆でひたすら塗ったものが家の仕切りになったり、絨毯になったり、かくれんぼしたり。なのはな組も、おうちごっこの中にウサギやキツネのペープサートが登場し展開されたていったり、1人で全役行なう〝きつねとうさぎ〟劇場が始まったり。普段の遊びの中に入るほど、物語の世界が始まってまいりました。さて、ここからどのようになっていくのでしょうね。

エパングルママンからの贈り物🎁

太陽幼稚園には有志によるいくつかのボランティアグループがあります。
その中の一つ「エパングルママン」は裁縫を中心とした活動をされており、そうしたことが好きな方々が和気あいあいと活動を楽しみつつ、階段の踊り場に季節に応じた壁面を付けてくださったり、子どものおもちゃを手作りしてくださったりしています。

先日新たに手作りのレジを届けていただきました!おもちゃ屋さんで買う新しいおもちゃももちろん嬉しいですが、手作りのおもちゃは温もりや愛情がプラスされ、一味も二味も違いますよね。 目にした途端、「うわぁ〜」と歓声を上げる子どもたち。一瞬にして虜になっていました。

「ラーメン屋さんしよう!」「メニューがいるよね♪」「ICカード作ろうよ」昔から変わらない子どもの発想と現代の子どもたちならではの発想が相まって遊びが展開されていました。また子どもたちの遊びに彩りを添えてくれる存在になること間違いなし!と確信しました。 大切に使わせていただきます。心を込めて子どもたちのために作っていただき本当にありがとうございました!

初めての書き初め

 お正月の風物詩、書き初めを年少組で行ないました。 初めて出会う墨の匂いに「いい匂い~」という子もいれば、「くさいっ!」と顔をしかめる姿も。 ダイナミックに筆を重ね、思い思いに楽しみました。

園長コラム 子育ては遠回りを

 幼稚園というと「教育をする場所=勉強を教えてくれる場所」と思いがちです。太陽幼稚園には「遊びながら学ぶ」という柱があります。子ども達は遊びながらこれは学びになると思い遊んでいるわけではありません。例えば、リレーです。太陽幼稚園はルールは置いておき、子ども達の思うようにリレーが始まります。昨年度の年長児のリレーの様子を見ていた子ども達は見よう見真似でバトンを持ち、エンドレスのかけっこ。いつまでたっても終わらないかけっこをしている中で人数に気がつきます。多い少ないに気づいた時に疑問がよぎり、ありったけの知識や自分の考え、思いを集団の中で伝え合います。リレーの中で学ぶ力は、勝ちたい気持ちになる、負ける悔やしさを味わう、次に期待をする、落ち込んだ時の心の建て直しを学ぶ。速く走る方法を研究する、チームワークを学ぶ。自分を知る、相手を知る、人を信じる、言いたいことを言い合う。リレーの中には、子ども達の心の成長をはかるものがたくさんあります。

 家庭では学べない、他人の中で集団を通して仲間関係を学んでいくことはとても大切です。極端なことを言えば、机上で学ぶ学習はいつでも、どこでもしようと思えばできます。昨今では、小さい時から教えて学ぶことに安心をしているように思います。ドリル形式で計算力をアップさせる。小学校に行く前からひらがな、漢字、複雑な計算を習得する。毎日のように習い事に通う。確かに勉強をすることで知らない世界は広がり、探究心や計算力も伸びるでしょう。できることは自信にもつながります。でも、幼稚園ではそれ以上のものが培われます。

 今まで多くの子ども達と関わり、コロナ禍の園生活を続けてきましたが、どんな逆境にいながらも変わらない心持ち、工夫の名人は子ども達です。だからこそ、幼児期の短い時間、子どもが子どもでいられる時間を存分に自分の思うように過ごして欲しいと切に願います。保護者の方の「だから言ったじゃない」「いい加減にして、そんなことするなら帰るわよ」言いたくて言ってる訳ではなく、日々子育てに奮闘されていることも重々承知をしています。子どもは日々成長しています。親の知らない見えないところで、どんどん大きくなります。信じて待ちましょう。子育ては遠回りをしてこそ楽しい発見がたくさんあります。

🎄クリスマス会🎄

先日クリスマス会を行ないました。 オープニングの影絵から始まり、トーンチャイム演奏やマジックショー、教師劇等、盛りだくさんのプログラムでした。 各学年の歌のコーナーでは、ドラちゃんサンタwith総務バンドの伴奏で、子ども達の気分はいつもよりも増して盛り上がりました。 クリスマス当日がさらに楽しみになりましたね♪

年長児によるはじめの言葉。
この後ライトの火を吹き消すと一斉に会場のイルミネーションが灯りました。
教師によるトーンチャイムの演奏