園長コラム 太陽のお母さんの音楽の楽しみ方

 毎日暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。幼稚園も長い夏休みが始まりました。暑いから夏休みがあるとの事で、地方によっては夏休みが短く冬休みが長い所もあり、二学期が始まる時期は色々だそうです。パリではオリンピックが開催されていますが、フランス人は他国で夏を過ごす人も多いとか。夏の過ごし方も様々ですね。

 さて、今回のブログの内容は「お母さんの音楽を楽しむ姿に脱帽」というテーマでお話しします。

 昨年度の太陽第一幼稚園の保護者会で「園にあるマリンバや木琴を弾いていみたい。園長に教えてほしい。」というお母さんからの声をいただきました。園長の私は驚きでした。(もしかしたら私の出番?)なぜ園長がマリンバを?私ごとですが、若かりし頃マリンバの音色に心を打たれ、小学校から高校生の間マリンバを習っていました。一時中断し、結婚、出産後、またレッスンに通い、気づけば娘三人も無理やりレッスンに。「私は習いたくなかったのにお母さんにさせられたー!」と今でも言われています。昨年度チラッと園内のコンサートで、久しぶりに娘二人とアンサンブルをしたのを保護者の方が聴いてくださり、このような声を上げてくださったのだと嬉しく思いました。

 この5月にマミーズ(お子さんを園に預けている間にお母さん達がお母さんの好きなことをする会)主催で「木琴・マリンバの会」をスタートしました。募集内容は、ドレミが分からなくても大丈夫。園児同様少しずつ進めます。4回でワンクールとし、今回は基礎を中心に「ドレミの歌」のアレンジが1~5ありますが、1のみの主題で終了しようと考えていました。園には木琴が13台、マリンバが4台あります。初回から定員一杯で多い時には一台に二人で演奏する時も。在園の方、卒業生の方の参加もあり、1回目から真剣そのものでした。

 合言葉は「あきらめない!」小さな子(下の子)を連れての参加をいとわないのが太陽のお母さんの素晴らしい点です。その子達こそ色々な場面に出向くことで、知らない間に様々なことを学んでいるのです。その小さな子は、お母さんになんとか木琴を引かせないようにと、足首にまとわりつきます。でも母は偉大です。おかまいなしに弾きます。ある子は片端からバチを集めてお母さんに弾かせないようにします。そんな時、お母さんはあきらめず、鼻歌混じりでエアーで弾きます。ぐずる子は抱っこ紐で、ひょいと抱っこしたりおんぶして弾いたり、片手で抱きながら片手で弾いたり。

 鍵盤はどこを見ても茶色。ドはどこ?端から数えて確認。両手にバチを持つと、どうしても右利きの人は右ばかりで弾いてしまうので、「右・左、交互に弾きましょう」「左が上になるように」「鍵盤にバチが当たったら跳ねる」「鍵盤の真ん中をたたいて」「身体は弾く音の前まで動いて、歩いて」「もっと音を出して」「違う音を弾かないで」「一列目の人だけでもう一回」私のスパルタの声が音楽室に響きますが、全くめげないお母さん達。脱帽です。回を重ねるごとに、めきめき弾けるようになり、メロディーが流れトレモロもきれいに。大人になってトレモロ奏法をするのは実は難しい技術です。ところが太陽のお母さん達はコロコロと上手に弾くのでビックリ!でした。そんな頃、お母さん達から「子ども達に聴かせたい」という声が上がり、最終日も間近。バリエーション1で終わる予定がバリエーション5に突入。でも時間がない。ええい!おまけに3回増やし最後まで完成させよう!達成感を味わっていただこう、という私の勝手なもくろみ。

 増やした3回もこれまた皆さん熱心に参加をしてくださいました。毎回お母さん達の意欲、根性に圧倒されてばかりでした。暑い日もあれば、疲れている日、面倒な日、体調がすぐれない日など、大雨と大風の日は中止にしようかと悩んだ時もありました。ところがいつもより早く下の子を連れて雨でビショビショ。「来ちゃった~!」と元気はつらつ。

 いよいよ最終日。なんと今日が初めての参加という方がいらして、30分で習得。また、長いこと休んでいた方も久しぶりに顔を出してくださり、「弾ける所だけ弾きます!」と前向きな姿勢に感動。

 この日はピアノ伴奏を年中児のあるお母様に依頼。10時には園児達が聴きにくることになっていました。ところが全員集まって一通り最初から通し、バリエーション5に力を注いでいたところ、時間終了。音楽室の扉の前で園児が待機。もう限界となり、可愛いお客さんが入室。

 「最後まで通していないので、弾けないところは弾いているつもりで弾いてくださ~い!」と私。(まさか、そんな・・・というざわめき・・・そして不安な顔のお母さん達)

 ところが、なんと見事に弾き、子ども達からは拍手喝采でした。マリンバや木琴を通して、改めて太陽のお母様方の母の強さ、挑戦力とど根性、そして恥ずかしがらない姿勢に脱帽。私が描いていた完璧な木琴・マリンバ奏法による一曲の完成など、必要ありませんでした。穴があったら入りたい心境です。

 子育てをしながら、限られた時間の中で自分ができることを楽しんですればいい。ということを教えていただきました。それでいいのです。

 最終日、演奏を聴いたあの瞬間の子ども達の嘘のない笑顔、満足気な顔。子ども達は「お母さん達の演奏」に本物を感じたのでしょう。

 ふつつかな指導に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

園長コラム 教育は愛なり 子は天才にして教師は凡才なり

 新緑のまぶしい過ごしやすい季節になりました。太陽の子ども達が入園、進級という人生の節目を一人ひとりが自分のペースで歩き始めました。お母さんがいない寂しさをどのように埋めていくのか。周りを見ればたくさんの大人はいるけれど、なんて声をかけたら助けてくれるのか。旧担任は目の前にいるけど、もう自分の先生ではない。以前のように胸にとびこんでいかれない自分がいる。何でこんなにうじゃうじゃ子どもがいるんだろう。私は静かな所にいたいな・・・。等々様々な心模様が伺えます。でも着実に子ども達は保護者の見えない所で大きくなろうとしています。

 太陽幼稚園は創立73年間、私学助成で園を運営してきました。今年度より、新制度の施設型給付による新しい出発をいたしました。制度は変わりますが、創設の精神はしっかり心にとめながら、「原点回帰」の年にしたいと思っています。私立幼稚園という誇りと創設者がなぜ「太陽幼稚園」を作ろうと思ったかを忘れず、「子どものための幼稚園」作りを一貫して守り続けます。

 創設者である塩原三男は73年前、東京の焼け野原で戦争孤児達と焚き火をしながら語り合いました。そこで「自分の師は子どもだ」と実感をします。親のない子ども達の心と瞳の輝きに感銘を受けます。親がいなくてもどん底にいる自分達はこれ以上下はない。夢や希望に満ちた将来があると信じて生きている子ども達と出会い、この子達のために「幼稚園を作ろう」と誓います。無一文でしたが、情熱だけは持っていた、と聞いています。この塩原三男の勢い、情熱が園設立資金提供者の心を打ち、その方達の偉大な援助のおかげで、太陽幼稚園が1950年に産声を上げます。私たち教職員は常にこの創設者の創立の精神を誇りとし、日々子ども達と関わっています。

 時代は目まぐるしく変わってきます。現在は効率的に生きるために、そして将来困らない生活を送るためには、子ども達に必要なことは何かばかりに注目しがちです。大人の幸を願う前に、夢を持って輝く人生を夢みている子ども達には今何が必要なのでしょうか。今習得しなくても後回しでも十分習得できることはたくさんあります。子どもは子ども時代に熱い情熱と夢を持って、大好きな仲間と時間を忘れて遊ぶことが大切ではないかと思います。そしてありのままの子どもの姿を受け止める大人が近くにいて「大丈夫、それでいいんだよ」とただただくり返し伝えてあげる。安心と愛されているという実感で子ども達は生きていかれます。児童精神科医の佐々木正美先生は「子どもは親のいう通りには育たない。育てたように子は育つ」そして「生きているだけでいい」「我が子に望むことがあるとしたら、『親より先に死なない』というくらいです」とおっしゃっています。

 当園の前理事長は親より先に59歳で亡くなりました。母親は創設者の妻です。苦労を共にして幼稚園を作り、息子に園を任せましたが、自分より先に亡くなるという、どうしようもない辛い体験をしました。息子が書いた「お母さん産んでくれてありがとう」という白い紙切れを冷蔵庫の扉に貼り、毎日眺めていました。

 愛しい我が子にああなってほしい、こうしてほしい、という気持ちを持つのも当たり前でしょう。でも、時々は子ども達の顔色も見ながら「いいかげん」を保つことを願っています。毎日子育てありがとうございます。  令和6年度も太陽幼稚園に関わるすべての人を幸にする努力を惜しみません。

      創立当初の塩原三男と妻

園長コラム 不安混乱期

 太陽幼稚園では新学期が始まった4月・5月を「不安混乱期」と呼んでいます。この状況は子どもだけではなく、保護者の方そして教職員も不安混乱になります。特に年少児は初めての世界を生きることになり大好きなお父さん、お母さんと離れ、社会の始めの一歩を踏み出します。この世の終わりかと思うくらい泣く子がいます。固まって動かない子もいます。

「近よらないで~!」「目を合わさないで~!」という表現の子も。昨日はケラケラ笑っていたのに今日は泣く子もいます。皆不安でしかたがないのです。どうしていいか分からないのです。私達はひたすら子どもが望むようにし、泣きたい子は泣きやませず泣かせてあげます。

「そうだね、泣きたいね。寂しいね。ママがいいね。」嫌がらなければ手を握ったり、ひざに乗せたり、背中をさすったり・・・。そうしていくと不思議なことに一日一日様子が変わり、泣く時間が短くなったり、楽しいことをしている子に近づいてみたり、ポツリポツリ話をしてくれたり、大人の側に来たり。子どもは育とうとする力を身体の中に持っていてムクムクと出し始めるので感動します。人間は集団の中で“食べること”“排泄すること”により新しい環境に慣れると言われています。まさに自立の一歩です。そして私達が心がけている一つに生活の流れを変えないというものがあります。朝登園したらまず教室に入り「先生おはよう。来たよ。」と挨拶をし、身支度を整え遊びに流れます。バスの子も歩きの子も全員が集まりみんなで顔をそろえたところで「今日は何をしようかナ」と始まります。生活のリズムが整うと子ども達の心のリズムも整います。2週間足らずの積み重ねで回りの子を見ながら見よう見まねで子ども達は少しずつ基本的な生活習慣(身辺の片付けや準備)の習得をしていきます。生を受けてまだ3年の子がほとんどですが保護者の方の見えないところでこんなに大きな成長が見られるようになります。大したものです。

 もう一点注目したいのは1つ上の年中児です。初めてのクラス替え、教室も担任も変わりました(変わらない子もいます)。不安混乱のまっただ中です。自分自身が一つ大きくなったという喜びや実感がどの子にもあり、クラス名札の色が変わったことが嬉しくて嬉しくて。でも今まで自分たちが慣れ親しんだ教室に、なんと違う集団がいることに気づきます。年少児の存在に、初めて自分が一つ大きくなるということの現実にぶつかります。元担任が「取られた!」と号泣!その姿に元担任も側にいた保護者も涙々・・・本当は大きくなりたくなかった。先生も友達も3月のそのままでよかった。それでも翌日元気に登園。これまた大したものです。また年中児になって初めての4月のお誕生日会。年少児の頃は各クラスでアットホームなお誕生日会を行なってきました。一つ大きくなると2クラス合同でホールに上がりお誕生日会をします。舞台に上がった4月生まれの誕生園児を見て何やら嬉しそうな表情。皆から拍手で「おめでとう」の嵐。「僕もおめでとうってやってもらいたい」とフロアーの子からの声。とうとう涙声に。前に座っていたAちゃん。「今日は4月生まれの子だけなの。B君は4月じゃないでしょ!まだ先。」それでもB君は「僕も僕も」と連呼。「ダメったらダメ。泣いたってダメなんだから」このような理屈を友達に話せる年中児。年少の頃は誕生日って何?の世界でした。Aちゃんは12回のお誕生日の体験で得てきた知識を友達に伝え、また、泣いたって通らないことがある体験もたくさんしてきたのでしょう。

 このように学年の成長も様々、個の育ちも様々です。人生の大事な節目を何度も乗り越えたくましくなります。不安混乱の時こそ、その子のありのままを受け止めひたすら共感していきます。その子の寂しさ、思い、出した言葉を同じ言葉でくり返します。「お誕生日してほしかったね。」

 一方、保護者の方はいかがでしょうか。子どもと離れてご自宅に戻っても落ちつかない様子だったのではないでしょうか。大丈夫です。保護者の方も少しずつ園生活のリズムに慣れて、お昼寝の時間でも持っていただけるといいいですね。とにかくお母さんは多忙きわまりないと思います。子どもが何かトラブルを起こすと母親が責められたり、子どもが帰ってくればすぐに「お腹がすいた~!」となります。なんでも「ママ、ママ」私はたまには「お父さんと言って!」と叫んだことがありましたよ。兄弟がいれば必ず親の前でけんかをしませんか。「けんかをするなら多摩川に行ってしてきて~!」と若かりしころ子どもに言ったら、今だに30を過ぎた娘が“お母さんの忘れられない言葉!”と覚えています。ある精神科女医が言っていた言葉ですが、今日何をしたかではなく「今日どれくらい休めたかな?」が大切だそうです。休みが足りなかったら意識的に取るようにしてみましょう。この不安混乱期はどなたも体調をくずしやすいのでくれぐれもご自身を大切にお過ごしください。ご一緒にこの混乱期を乗り越えましょうね。

園長コラム 子育ては遠回りを

 幼稚園というと「教育をする場所=勉強を教えてくれる場所」と思いがちです。太陽幼稚園には「遊びながら学ぶ」という柱があります。子ども達は遊びながらこれは学びになると思い遊んでいるわけではありません。例えば、リレーです。太陽幼稚園はルールは置いておき、子ども達の思うようにリレーが始まります。昨年度の年長児のリレーの様子を見ていた子ども達は見よう見真似でバトンを持ち、エンドレスのかけっこ。いつまでたっても終わらないかけっこをしている中で人数に気がつきます。多い少ないに気づいた時に疑問がよぎり、ありったけの知識や自分の考え、思いを集団の中で伝え合います。リレーの中で学ぶ力は、勝ちたい気持ちになる、負ける悔やしさを味わう、次に期待をする、落ち込んだ時の心の建て直しを学ぶ。速く走る方法を研究する、チームワークを学ぶ。自分を知る、相手を知る、人を信じる、言いたいことを言い合う。リレーの中には、子ども達の心の成長をはかるものがたくさんあります。

 家庭では学べない、他人の中で集団を通して仲間関係を学んでいくことはとても大切です。極端なことを言えば、机上で学ぶ学習はいつでも、どこでもしようと思えばできます。昨今では、小さい時から教えて学ぶことに安心をしているように思います。ドリル形式で計算力をアップさせる。小学校に行く前からひらがな、漢字、複雑な計算を習得する。毎日のように習い事に通う。確かに勉強をすることで知らない世界は広がり、探究心や計算力も伸びるでしょう。できることは自信にもつながります。でも、幼稚園ではそれ以上のものが培われます。

 今まで多くの子ども達と関わり、コロナ禍の園生活を続けてきましたが、どんな逆境にいながらも変わらない心持ち、工夫の名人は子ども達です。だからこそ、幼児期の短い時間、子どもが子どもでいられる時間を存分に自分の思うように過ごして欲しいと切に願います。保護者の方の「だから言ったじゃない」「いい加減にして、そんなことするなら帰るわよ」言いたくて言ってる訳ではなく、日々子育てに奮闘されていることも重々承知をしています。子どもは日々成長しています。親の知らない見えないところで、どんどん大きくなります。信じて待ちましょう。子育ては遠回りをしてこそ楽しい発見がたくさんあります。

園長コラム 子ども自身で決めることを大切にする

 日々生活する中で、良かれと思って保護者の方が子どもに代わって決めてあげるということを習慣的にしていませんか。前回のブログでご紹介いたしました、太陽幼稚園の子ども達は「今日は幼稚園で何をして遊ぼうかな」と、子どもが考えて決めます。進んで遊ぶ子は何をしたいか、誰と遊びたいか等が明確です。

逆に何もしない子。さて、どうしましょう。私達大人はなんとか楽しませてあげたいと思うので、頼まれてもいないのに色々な言葉をかけます。「何をしたい?ブロックする?ここに机を持ってきて絵を描く?それとも散歩に行く?」何もしていない、つまらなそうだから、なんとかしてあげよう。この子ならこの遊びが適しているかも・・・。これは幼児教育において非常に多い対応ですが、実は子どもの育ちの妨げになっていることが多いのです。何かをしなくていいのです。子どもは一人になりたい時があったり、どうしようかな、と考えている時もあります。友だちの遊ぶところを見ている時もあります。子ども自ら動き出すまで待つ姿勢が必要ではないでしょうか。「待てる大人」が側にいると、子どもは安心して動き出します。(何日もかかる時もあります。)

 例えば、「ここに赤、黄、緑、白、青、金色の折り紙があるけど、何色を使いたい?」そこから選んで子どもが決めます。“選ぶ”のも子どもです。また、ヤダ!って言っても聞いてくれない。ワァ〜ン!泣いても分かってくれない。ひっくり返って暴れて物を投げても、叱られるだけ。子どもの出す信号に気づき、何に困り、どうしたいのかを大騒ぎしてひっくり返る前に、言葉で出している時に受け止めたいのです。自分の気持ちを外に出して表現して良いんだ!という心を育てたいと思っています。

「教育発表会」という行事があります。教育発表会は大きな舞台で各学年の育ちに合わせた発表をしています。取り組む中で、私達が最も大切にしているのは、劇(4歳児)や楽器(5歳児)の役決めです。一つの目標に向かって、仲間と作っていくプロセスを重視しています。入り口にある大切な役決めは、誰かが決めるのではなく、自分です。自分がどうしたいのかです。

年長児はたった一つしかない楽器に、複数希望者が集まると話し合いをします。皆の前でプレゼンです。なぜ、こんなにこの楽器をしたいのか、じっと仲間の気持ちに耳を傾けます。話し合いの中で自分自身を見つめます。“だってこの楽器を弾きたい”“年少の時からしたかった”“でも○○ちゃんの気持ちも分かる”“この間、スポーツデーで自分がしたいようにさせてもらったから、今度は○○ちゃんの番でも良いかな”“いつも良いよって言う○○くんが良いよって言わないの初めて聞いたし”“でも、お母さんがその楽器を諦めないでって言ってたし”

友達の気持ちを聞くと、揺らぐ子。いや、絶対したい!と譲らない子。大太鼓を巡って、6人の思いがぶつかりました。お互いの気持ちを知っていく中で最後は2人に。姉妹園に借りると言いテレビ電話で交渉。しかし、「私たちも同じ様に毎日使うから貸せない」と言われました。2人の結論は、交代で打つことになりました。あの時の2人の達成感を味わった顔は今でも忘れられません。

ここまで決める、にこだわる理由は何でしょう。大人の都合に従っていたら、誰かが提案するまで待つ子になるでしょう。太陽の子は、大人の提案にまず従いません。(良い意味でですよ)自分がしっかりあります。この柱を育てたいと思います。

自分で考えて行動できる子になるには、人の指示に従うのではなく、自分がこうだと思うことをしてみる。失敗したらそれだけ大きな宝物を獲得する。大人も支える。また歩き出す。この繰り返しだと思います。

見栄えのある劇発表をする。迫力のある合奏を発表することもあっては良いかとは思いますが、劇や合奏を通して、見えない心を育てるのが太陽の教育です。一人では学べない力を仲間がいたから自分も育てられた。こんな力が達成感や自信に繋がるのではないでしょうか。

園長コラム 自分でつくる幼稚園生活

 太陽幼稚園の一日は「さて、今日は何をして遊ぼうか」から始まります。「自分のしたい遊びを存分にする」ということを大切にしています。三十人いれば、三十通りの意見が出ます。

 こんな時がありました。「みんなの家族が幼稚園に来る日があるけど、皆はお家の人と何をして遊びたい?」と聞くと、外で遊びたい、ドッジボールをしたい、おままごとをしたい、縄跳びをするのを見てほしい、お化け屋敷を作って驚かせたい、アイスクリームを一緒に作って一緒に食べたい・・・様々です。このように意見を交わす中で、皆気持ちが違うんだ。考えていることが違うんだということを知ります。「皆それぞれ違う」ということが重要です。

 逆に大人が決めたことに子どもが従う。大人が主体だとどのようになるでしょう。「今日はこんなことをします」「ハーイ」子どもが大人の意見に従うことに慣れていると両者共に楽です。反発もせず人の意見も聞かず、他者の違いにも気がつかず、困っている人の存在も知らないでしょう。レールの上を歩けば失敗もせず考えることもしなくていいからです。 

 ある日、第一幼稚園の年長の子が一つの段ボールを見つけ、ガチャガチャの販売機を作りました。プラスチックの丸い容器がコロコロ転がって出てくるので、大人気になりました。と、次は自動販売機を作ろうとなり、段ボールに仮名で「じどうぱんばいき」と誤って書きました。「おもしろいから、パン売機にしよう」となり、お金を入れ「フランスパン、あんパン、ピザ」等、指名をするとパンがゴロゴロ出てくる自動パン売機がまたもや大人気に。年少、年中児はもとより、第二幼稚園の子も招待しました。

 というように、自分がしたい遊びをする。自分がしたいからする。が太陽の基本です。子どもが主体になり、したい遊びの援助を大人がします。気がつくと興味を持った子がゾロゾロと仲間になり、同じ目的を持って、ああでもない、こうでもないと相談し合い、次の日も次の日も遊びが続きます。

 園生活は子どもの手と頭と心を使って作ります。前述したように、大人がレールを引きその上を歩くのは簡単です。なぜなら考えずについていけばいいからです。

 小さい時から健全な心を育てたいと考えています。自分は今、何をしたいのか、遊びたいのか休んでいたいのか、何もしないで友達の遊ぶのを見ていたら誘われた、一人ではできなかったけれど仲間が声をかけてくれたから、してみようかな、楽しい!心が動くのを待ちます。急がなくていいのです。

 「したいことをする」という時に大切なのは瞬間です。子どもの気持ちが動いた時に大人は一緒にする、というのが太陽のスタンスです。待たせない、ということです。担任はもちろん、フリーの教員、職員室にいる総務、体育講師、副園長、園長は子ども最優先です。様々な事柄をやりくりし、子どもの「したい」につき合います。この子ども達の、こうして、ああして、の要望をその瞬間で叶え、人と人との信頼関係を作るのが私たちの子育て、使命です。

 次回は「決める」ということについてお話しいたします。

「たちばなフェス」に参加してきました!

7月19日(月)にたちばなフェス@橘公園に参加してきました。
すでにお知らせの通り「たけ・竹・タケ」と題して、竹を使った様々な工作や遊びを展開しました。竹の節を使って楽器や竹ぽっくりを作ったり、竹や竹の葉、細かい枝までを使って街を作ったり、涼し気な水に浮かんだ輪切りの竹をすくう「竹すくい」など無限に広がる竹の面白さを堪能していただきました。
また「こびと探しプロジェクト」として、第一幼稚園の子ども達がPEAKSTUDIOの藤木様とデザインしたこびとを隠し、参加者に探していただきました。
当日は猛暑の中、第一幼稚園・第二幼稚園の在園児はもちろん、一般の方にもたくさん来ていただきました。地域の皆さんと一緒にイベントができたことを教職員一同とても嬉しく思っております。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。

たちばなフェス7/12から予約開始!

7月12日(月)10時から予約を開始いたします。
以下のイベント詳細をお読みいただき、ぜひお越しください。

【イベント開催時間】
午前の部:10時~12時
午後の部:13時~15時

【竹すくい】
内容:金魚すくいの竹版。すくった竹をキーホルダーにしたり、アクセサリーにできます。
参加費:200円(事前予約なし)
時間:10時~12時・13時~15時※竹がなくなり次第終了です

【こびとさがしプロジェクト】
内容:こびとさがしプロジェクトビンゴを行ないます。太陽第一幼稚園の子ども達とたちばなフェス代表団体のピークスタジオ藤木様が生み出した小人たちが会場内に隠れています。ぜひ探しにきてください。見つけられたら、景品もあります!
参加費:なし(事前予約なし)
時間:10時~12時・13時~15時※ビンゴカードがなくなり次第終了です

【竹クラフト】
内容:工具を使い、竹の楽器やおもちゃ等。アイディアは無限。
参加費:300円
時間:10時~12時・13時~15時
定員:各20名(事前予約制)※空きがある場合は当日参加可
その他:自分が作った1つの作品をお持ち帰りいただけます

【竹のまちづくり】
内容:自分の箱に自分だけのまちを竹でつくります。
参加費:500円
時間:10時30分~11時30分・13時30分~14時30分
定員:各8名(事前予約制)※空きがある場合は当日参加可
その他:箱の中に町を創ります。自分で好きな箱を持ってきても大丈夫です。こちらでも箱は準備しております。
(箱の参考サイズ:26cm×36cm程度)

竹クラフト・竹のまちづくりのお申し込みはこちらから

7月19日 たちばなフェスに参加します!

この度、PEAKSTUDIOさんが、社会実験として橘公園で7月1日~7月31日まで開催する「たちばなフェス」に参加いたします。

太陽幼稚園は、7月19日(月)に、竹を様々に使うイベント「たけ・竹・タケ」を開催いたします。※本イベントはお子様向けイベントです。

【イベント概要】
①「竹すくい」金魚すくいの竹版。すくった竹をキーホルダーにしたり、アクセサリーにできます。
②「竹でまちづくり」様々に加工ができる竹を使って、まちを創りましょう。
③「竹クラフト」工具を使い、竹の楽器やおもちゃ等。アイディアは無限。
④「竹ミュージック&ダンス」ゲリラで開催予定。
⑤一昨年、PEAKSTUDIOの藤木様と共に園内で開催した「こびとさがしプロジェクト」をビンゴ形式で実施します。子ども達と藤木様が生み出した小人たちが会場内に隠れています。ぜひ探しにきてください。
※イベントは当日参加可のものと、先着予約制のものがあります。
(予約サイトは7月12日に本サイトでお知らせ)

皆様のお越しをお待ちしております。
その他、詳細は後日、本ブログでお知らせいたします。

【たちばなフェスHP】
http://tachibana-fes.com/

Taiyo Blog 〜みんなが太陽〜始めました!

皆様、こんにちは!

この度、多くの方々に太陽幼稚園のことを知っていただくため、「Taiyo Blog~みんなが太陽~」を始めます。

「みんなが太陽」という言葉は、太陽幼稚園のスローガンの一つで、子ども達はもちろんのこと、保護者の皆様、地域の皆様、現場で働く教職員など、太陽幼稚園にかかわるすべての方々が太陽のように輝き、幸せになってほしい、という願いが込められております。

日常の子ども達の様子から、太陽幼稚園の日常を感じていただだいたり、教育内容や環境の紹介を通して、太陽幼稚園が大切にしていることを知っていただける機会になりましたら幸いです。月に3、4回程度更新してまいりますので、是非こまめにチェックしてくださいね。

このブログを通して、太陽幼稚園が行なっている取り組みを、様々な方向から投稿し、発信していきたいと考えておりますので、どうぞお楽しみに!

ブログにより、太陽にかかわっていただく皆様の子育てLIFEがより輝きを持ったものになりますように。