幼稚園というと「教育をする場所=勉強を教えてくれる場所」と思いがちです。太陽幼稚園には「遊びながら学ぶ」という柱があります。子ども達は遊びながらこれは学びになると思い遊んでいるわけではありません。例えば、リレーです。太陽幼稚園はルールは置いておき、子ども達の思うようにリレーが始まります。昨年度の年長児のリレーの様子を見ていた子ども達は見よう見真似でバトンを持ち、エンドレスのかけっこ。いつまでたっても終わらないかけっこをしている中で人数に気がつきます。多い少ないに気づいた時に疑問がよぎり、ありったけの知識や自分の考え、思いを集団の中で伝え合います。リレーの中で学ぶ力は、勝ちたい気持ちになる、負ける悔やしさを味わう、次に期待をする、落ち込んだ時の心の建て直しを学ぶ。速く走る方法を研究する、チームワークを学ぶ。自分を知る、相手を知る、人を信じる、言いたいことを言い合う。リレーの中には、子ども達の心の成長をはかるものがたくさんあります。
家庭では学べない、他人の中で集団を通して仲間関係を学んでいくことはとても大切です。極端なことを言えば、机上で学ぶ学習はいつでも、どこでもしようと思えばできます。昨今では、小さい時から教えて学ぶことに安心をしているように思います。ドリル形式で計算力をアップさせる。小学校に行く前からひらがな、漢字、複雑な計算を習得する。毎日のように習い事に通う。確かに勉強をすることで知らない世界は広がり、探究心や計算力も伸びるでしょう。できることは自信にもつながります。でも、幼稚園ではそれ以上のものが培われます。
今まで多くの子ども達と関わり、コロナ禍の園生活を続けてきましたが、どんな逆境にいながらも変わらない心持ち、工夫の名人は子ども達です。だからこそ、幼児期の短い時間、子どもが子どもでいられる時間を存分に自分の思うように過ごして欲しいと切に願います。保護者の方の「だから言ったじゃない」「いい加減にして、そんなことするなら帰るわよ」言いたくて言ってる訳ではなく、日々子育てに奮闘されていることも重々承知をしています。子どもは日々成長しています。親の知らない見えないところで、どんどん大きくなります。信じて待ちましょう。子育ては遠回りをしてこそ楽しい発見がたくさんあります。